11月29日(水)
テスト初日。
午後は職員室の掃除当番で、せっせと埃まみれになる。
夕方、ゆきことスーパーで買い出しをしてさとみちゃんの家へ。
ゆきこはわたしが食べられない明太子サラダとネギトロ寿司をかごに入れたけれど、
自分が食べられないものを、目の前で食べられるのは全然いやじゃない。
いやじゃないどころか、おいしそうにそれを食べることができる相手を、いいなと思う。
だからじゃんじゃん入れてね、好きなもの。
と、言っていたら買い物カゴがすぐにいっぱいになった。
雄二さんとスーパーに行く時のことを、思い出す。
カートで少しやんちゃする雄二さん。
一応、買いすぎないようにしようとするわたし。
いつか、一緒に暮らしてそんな買い物がほんの日常の営みの一部に過ぎなくなっても、
生活のためにしなくちゃいけないこと、ではなくて
一緒に行くと楽しいから、という気持ちでいられたら幸せだと思う。
夜は、餃子とチヂミを囲んで同期会。
おんな三人、鉄の精神をもって四年間多くの試練をかいくぐってきた仲だ。
泣き虫だったゆきこはたくましくなったし、さとみちゃんは見違えるほど細くなった。
入職したとき、三人ともロングだった髪も、今ではうんと短くなった。
未だにゆきこはわたしとさとみちゃんに敬語で話すけど、何だかんだ四年をかけてじっくり熟成させてきた同期の絆だ。
来年もしかしたら三人ともここにいないかもしれなくて、同期会は少ししんみりとしたけれど、
それぞれに強くなったわたしたちは
どこにいったって大丈夫だな、と
最後の一口のチヂミを箸で持ち上げながら確かめるように思った。
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